結論から言うと、讃岐うどんと稲庭うどんの一番の違いは「コシの出し方」と「麺の形状」です。讃岐うどんは強い足踏み・手打ちによる弾力のある歯ごたえが特徴で、稲庭うどんは手延べによる細く滑らかな喉ごしが持ち味になります。
どちらが優れているというものではなく、食べたい料理やシーンによって選ぶべき麺が変わってくるというのが、食品を扱う仕事を10年以上続けてきた私の実感です。
この記事では、両者の違いと、料理や気分に合わせた選び方を具体的に紹介します。
讃岐うどんと稲庭うどん、結局どっちが美味しい?
結論から言うと、「どっちが美味しいか」に正解はありません。噛みごたえのある弾力を楽しみたいなら讃岐うどん、するっとした喉ごしの軽さを楽しみたいなら稲庭うどんが向いています。
私自身、取引先の試食会で両方を食べ比べたことがありますが、同じ「うどん」というくくりでも食感の方向性が全く異なることに驚いた記憶があります。
カレーうどんや肉うどんのように出汁をしっかり吸わせたい料理には讃岐うどん、冷やしうどんやそうめん感覚で軽く食べたいときは稲庭うどんと覚えておくと選びやすくなります。
讃岐うどんと稲庭うどんの違い早見表
| 項目 | 讃岐うどん | 稲庭うどん |
|---|---|---|
| 発祥地 | 香川県 | 秋田県 |
| 製法 | 足踏み・手打ち(生麺) | 手延べ(乾麺が主流) |
| 断面 | 太く角のある断面 | 平たく薄い断面 |
| 食感 | 強いコシ、しっかりした弾力 | なめらかで繊細な喉ごし |
| 向いている食べ方 | かけうどん、肉うどん、カレーうどん | 冷たいつけうどん、ざるうどん |
| 保存性 | 生麺中心、冷蔵・冷凍が基本 | 乾麺中心、常温で長期保存可 |
讃岐うどんの特徴と歴史
讃岐うどんは香川県が発祥で、強いコシと弾力のある食感が最大の特徴です。塩水を使った生地をしっかりと踏み込んで作ることで、茹でた後も歯切れの良い弾力が残ります。
かけうどんや釜揚げうどんのようにシンプルな食べ方でも、麺そのものの食感を楽しめるのが讃岐うどんの魅力です。江戸時代から讃岐地方で作られてきた歴史があり、現在も地元では製麺所ごとに微妙にコシの強さや太さが異なるため、食べ比べる楽しみもあります。

稲庭うどんの特徴と手延べ製法
一方の稲庭うどんは秋田県が発祥で、手延べ製法によって作られる細く平たい麺が特徴です。生地を延ばしながら乾燥させる工程を経るため、独特のコシとつるりとした喉ごしが生まれます。
冷たいつけうどんとして食べることが多く、暑い季節や食欲がないときでもすっと喉を通る軽さが持ち味です。乾麺として長期保存ができるため、贈答品としても古くから重宝されてきました。

稲庭うどんのコシが分かりにくいと言われる理由
「稲庭うどん コシ」と検索する方が多いのは、讃岐うどんのような噛みごたえの強さを期待して食べると、コシの方向性の違いに戸惑う人が多いためです。稲庭うどんのコシは、噛んだときの弾力ではなく、なめらかな喉ごしの中にある細い芯のしっかりさで感じるタイプのコシです。
茹ですぎるとこの繊細なコシが失われやすいので、表示時間より30秒ほど短めに引き上げて余熱で仕上げるのがコツです。
水沢うどんとの違いも押さえておく
讃岐・稲庭と並んで「日本三大うどん」に数えられるのが、群馬県発祥の水沢うどんです。水沢うどんは讃岐うどんに近い強いコシを持ちながら、より透明感のある白さと、つるりとした喉ごしを兼ね備えているのが特徴です。
製法も讃岐うどんと同じく手打ち・足踏みが中心で、稲庭うどんの手延べ製法とは異なります。3つを食感の強さで並べると、讃岐>水沢>稲庭という順番でコシが穏やかになっていくイメージを持つと分かりやすいです。
料理・シーン別のおすすめの選び方
肉うどんやカレーうどんのように出汁をしっかり吸わせたい料理には、コシの強い讃岐うどんが相性抜群です。反対に、冷やしうどんやそうめんのような感覚で軽く食べたいときは、稲庭うどんのつるりとした喉ごしが活きてきます。
贈り物として選ぶ場合も、相手が好む食感のタイプをイメージして選ぶと満足度が上がります。
美味しく茹でるための基本ポイント
讃岐うどん・稲庭うどんいずれも、茹で時間はパッケージの表示時間を守りつつ、途中で一度差し水をして温度を安定させると麺が均一に茹で上がります。茹で上がったら冷水でしっかり締めることで、余分なぬめりが取れてコシが引き締まります。
麺の太さと断面で見分ける豆知識
見た目で見分けたい場合は、麺の太さと断面の形に注目すると分かりやすいです。讃岐うどんは太めで角のある断面が多く、噛んだときにしっかりとした弾力を感じます。稲庭うどんは平たく薄い断面が特徴で、光にかざすとやや半透明に見えるほど繊細な作りになっています。
製麺所によっては熟成期間を数週間かけることもあり、この熟成の長さが稲庭うどん特有の滑らかさとコシのバランスを生み出しています。産地の水質や気候も麺の仕上がりに影響するため、同じ製法でも地域によって微妙な違いが出るのも麺文化の奥深いところです。
地域で楽しまれているアレンジの違い
讃岐うどん発祥の香川県では「ひやあつ」と呼ばれる、冷たい麺に温かいつゆをかける食べ方や、生卵と醤油だけでシンプルに食べる「釜玉うどん」が定番として親しまれています。
一方、稲庭うどんの本場である秋田県では、じゅんさいや山菜を添えた冷たいつけうどんとして食べられることが多く、初夏から夏にかけての涼を取る料理として重宝されています。同じうどんでも、産地の気候や食文化によって食べ方の主流が異なるのは興味深いポイントです。
家庭で作る際も、こうした本場の食べ方を真似てみると、麺の個性をより深く味わうことができます。また、香川県では製麺所やうどん店の数が非常に多く、地元の人々は「今日はどの店に行くか」を日常的に選ぶほど生活に根付いた存在になっています。
稲庭うどんも同様に、地元の旅館や料亭で郷土料理として提供されることが多く、地域の食文化と密接に結びついています。
よくある質問
Q. 讃岐うどんと稲庭うどん、普通のうどんとの違いは何ですか?
一般的な「うどん」は製法や産地を限定しない総称で、讃岐うどん・稲庭うどんはその中でも製法と食感に明確な特徴を持つ地域ブランドです。普通の生麺うどんと比べると、讃岐うどんはコシの強さで、稲庭うどんは細さと喉ごしの良さで一線を画しています。
Q. 讃岐うどんと稲庭うどんはどちらが日持ちしますか?
稲庭うどんは手延べ後にしっかり乾燥させる乾麺タイプが主流のため、常温で数ヶ月〜1年程度日持ちします。讃岐うどんは生麺タイプが多く、冷蔵・冷凍保存が基本になります。
Q. 贈答用として選ぶならどちらが無難ですか?
常温保存でき、賞味期限に余裕がある稲庭うどんの乾麺ギフトの方が、贈るタイミングを選ばず扱いやすい傾向があります。
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まとめ:食べたい食感で讃岐と稲庭を使い分ける
讃岐うどんと稲庭うどんは、どちらも歴史ある日本の麺文化を代表する存在ですが、コシの強さと喉ごしの方向性が大きく異なります。
がっつり噛みごたえを楽しみたいときは讃岐うどん、つるりと軽やかに食べたいときは稲庭うどんというように、その日の気分や料理に合わせて選び分けてみてください。どちらも一度に大量に茹でて冷凍保存しておけば、忙しい日の食事準備がぐっと楽になるのもうどんの魅力です。
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