結論として、いかを美味しく刺身にするコツは「ワタと軟骨を丁寧に取り除き、表面の薄皮まできれいに剥ぐこと」「繊維に対して細く切る糸造りにすることで柔らかい食感を引き出すこと」の2点です。この記事でわかることは、いかの下処理の手順、皮むきのコツ、そして刺身らしい美しい糸造りの切り方です。魚介の仕入れに携わってきた経験から、家庭でも実践できる手順を紹介します。
目次
なぜ丁寧な下処理と切り方が食感を左右するのか
いかは胴体の中にワタ(内臓)と透明な軟骨(甲)が入っており、これらを取り残すと生臭さや食感の悪さの原因になります。特にワタは早めに取り除かないと鮮度の劣化が進みやすいため、購入後はできるだけ早く下処理をすることが美味しさを保つポイントです。また、いかの表面には皮が四層ほど重なっており、この皮を丁寧に剥がないと、加熱していない刺身の状態では皮の食感が邪魔をして口当たりが悪くなってしまいます。特に一番外側の茶色い皮と、その下のうっすらとした薄皮まで剥くことで、透明感のある美しい身と、なめらかな食感が引き出されます。切り方についても、いかは繊維が強い食材なので、繊維に沿って厚く切ると噛み切りにくく食べにくい食感になります。繊維に対して細い糸状に切る「糸造り」にすることで、口の中でつるりとほどけるような柔らかい食感が生まれ、いか本来の甘みも感じやすくなります。

実践編:下処理・皮むき・糸造りの手順
まず、胴体とエンペラ(耳)の間に指を入れて、エンペラを軽く引っ張りながら胴体からワタごと引き抜きます。この際、ワタを潰さないようにゆっくり引くのがコツです。胴体の中に残った軟骨(透明なプラスチックのような芯)を引き抜き、胴の中を流水でよく洗います。足の部分は、目のある部分の少し下を切り落とし、口ばし(くちばし)を取り除いてから、吸盤をしごくようにして汚れを落とします。
皮むきは、胴体の端に切り込みを入れ、そこから指を差し込んで一気に皮を剥ぎ取ります。表面の茶色い皮が剥けたら、次に薄い皮を剥く工程に移ります。キッチンペーパーを使って身の表面をこするように拭くと、残った薄皮がきれいに取れて、真っ白で透明感のある身に仕上がります。この薄皮まで丁寧に取り除くことが、刺身にしたときの見た目と食感を大きく左右します。
刺身に切る際は、胴体を開いて平らにし、繊維の向き(縦方向に走っている筋)を確認します。繊維に対して直角に、包丁を細かく入れていくのが糸造りの基本です。厚めに切りたい場合は、格子状に浅く切り込みを入れる「松笠造り」にすると、味が染み込みやすく食感にも変化が出ます。切ったいかは、生姜醤油やわさび醤油でシンプルにいただくのはもちろん、めんつゆと和えて「いか素麺」風にするのもおすすめの食べ方です。
いかの種類による使い分け
いかにはスルメイカ、ヤリイカ、アオリイカ、コウイカなど多くの種類があり、それぞれ食感や甘みに違いがあります。スルメイカは一年を通して手に入りやすく、刺身から焼き物、煮物まで幅広く使える万能ないかです。ヤリイカは身が薄く柔らかいため、繊細な食感を活かした刺身や天ぷらに向いています。アオリイカは「いかの王様」とも呼ばれるほど甘みが強く、肉厚な身が特徴で、刺身にすると特にその甘さが際立ちます。コウイカは身が厚くしっかりとした歯ごたえがあり、煮物にすると味がよく染み込むため、煮いかや炒め物との相性が良い種類です。刺身にする際は、種類によって身の厚みが異なるため、薄い身は細めの糸造り、厚みのある身はやや幅を持たせた切り方にするなど、切り方を微調整すると、それぞれの持ち味をより引き出せます。
いかを煮物にするときのポイント
いかを煮物にする場合は、長時間煮込むと硬くなりやすいため、他の具材にある程度火を通してから、いかは仕上げの短時間だけ加える方法がおすすめです。逆に、じっくり時間をかけて弱火で煮込むことで柔らかく仕上げる方法もあり、調理法によって食感が大きく変わる面白い食材です。
いかの鮮度を見分けるポイント
新鮮ないかは透明感があり、皮の色が茶色く均一で、目が濁っていないことが鮮度の目安になります。触ったときに身がしっかりと弾力を持っているものほど新鮮です。時間が経つと白っぽく変色し、身の透明感が失われていくため、購入時はこうした見た目のポイントを意識すると良い個体を選びやすくなります。
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まとめ
いかを美味しく刺身にするには、ワタと軟骨、薄皮までの丁寧な下処理と、繊維を意識した糸造りの切り方が欠かせません。手間をかけた分だけ、つるりとした食感と甘みを存分に楽しめます。新鮮ないかや海の幸をまとめて楽しみたい方は、お取り寄せランキングもぜひ参考にしてください。