魚・海鮮

鰤(ぶり)の照り焼きの作り方とコツ|ふっくら仕上げる下ごしらえ術

鰤(ぶり)の照り焼きは、下ごしらえの一手間で仕上がりがまったく変わる料理です。この記事では、食品関連の営業を10年以上やってきた私が、切り身の選び方から臭み抜きの霜降り処理、ふっくら焼き上げるコツ、そして甘辛のタレを黄金比で作る方法まで、実際に自宅で何十回と試した経験をもとにお伝えします。読み終える頃には、スーパーで買った普通の切り身でも、専門店に負けない照り焼きが作れるようになっているはずです。

なぜ下ごしらえが鰤の照り焼きの味を決めるのか

鰤の照り焼きがパサついたり生臭くなったりする原因の多くは、下ごしらえ不足にあります。鰤は青魚に比べると血合いが多く、加熱すると血合い部分から生臭さが出やすい魚です。塩を振って余分な水分と一緒に臭みの元になるドリップ(血液や体液)を抜くこと、そして霜降り(熱湯にくぐらせて表面のぬめりや汚れを落とす処理)をすることで、臭みの原因物質をあらかじめ取り除けます。また、切り身は解凍・保存の過程で水分が抜けやすく、そのまま焼くとパサつきの原因になります。塩を振ることで身の中のたんぱく質がわずかに変性し、水分を保持する力が上がるため、焼いたときにふっくらとした食感が残ります。専門店の照り焼きが柔らかいのは、素材の質だけでなく、この下ごしらえの工程を丁寧に踏んでいるからです。逆に言えば、家庭のスーパーで買う切り身でも、この工程さえ守れば十分に美味しく仕上がります。

切り身の選び方のポイント

厚みと色で見極める

鰤の切り身を選ぶときは、まず厚みを見ます。薄い切り身は焼くとすぐに水分が飛んでパサつくため、できれば2cm前後の厚みがあるものを選びましょう。色は血合いの部分が鮮やかな赤色をしているものが新鮮な証拠です。血合いが茶色っぽく変色しているものは、時間が経っている可能性が高いので避けた方が無難です。

ドリップの少ないパックを選ぶ

パックの底にドリップ(赤い液)がたまっているものは、鮮度が落ちているサインです。私は仕事柄、市場や加工場で魚を見る機会が多いのですが、ドリップが多い切り身は身が締まっておらず、焼いたときに崩れやすい傾向があります。パックを裏返して底の水分量を確認する癖をつけると、失敗が減ります。

ふっくら仕上げる下ごしらえの手順

塩を振って臭みを抜く

切り身の両面に塩を軽く振り、10〜15分ほど常温で置きます。表面に水分がじんわりと浮いてきたら、それがドリップと一緒に抜けた臭みの元です。キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取ります。ここで水分を拭き取らずに焼くと、生臭さがタレに移ってしまうので注意してください。

霜降りでぬめりと臭みをオフ

ボウルに切り身を入れ、沸騰したお湯を回しかけます。表面が白っぽく変わったら、すぐに冷水に取って表面のぬめりと汚れを指で優しく洗い流します。この工程を「霜降り」と呼び、煮魚や照り焼きなど和食の下ごしらえでは定番の技術です。霜降りをすることで、生臭さの原因になるぬめり成分と余分な脂を落とすことができ、タレの絡みも格段に良くなります。

再度水分を拭き取る

霜降り後は身に水分が残っているので、キッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。水分が残ったまま焼くと油はねの原因になるだけでなく、焼き色がつきにくくなるため、この一手間を惜しまないことが大切です。

焼き方のコツと甘辛タレの黄金比

片栗粉を薄くまぶして焼く

下ごしらえを終えた切り身に薄く片栗粉をまぶしてから焼くと、タレが絡みやすくなり、身の水分を閉じ込めてふっくら感がさらに増します。フライパンに油を薄くひき、中火で皮目から焼き始め、両面に軽く焼き色がついたら一度取り出します。

タレの黄金比

私が長年試して行き着いた黄金比は、醤油・みりん・酒・砂糖を「2:2:2:1」の割合で合わせるレシピです。具体的には醤油大さじ2、みりん大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ1が目安です。この比率だと甘すぎず、鰤の脂の旨みとしっかり調和します。フライパンに焼いた鰤を戻し入れ、合わせたタレを加えて中火で煮絡めます。タレが半分くらいの量に煮詰まり、とろみがついてきたら火を止めるタイミングです。煮詰めすぎると焦げやすくなるので、フライパンを揺すりながら様子を見てください。

仕上げの照りを出すひと工夫

火を止める直前にみりんを小さじ1ほど追加で回しかけると、照りが一段と強くなります。私が家族に振る舞うときはこの追加のひと手間で「お店みたい」と言われることが多く、ちょっとした裏技として重宝しています。盛り付けの際は、フライパンに残ったタレをスプーンで身にかけると、見た目の艶も味も格上げされます。

合わせて読みたい記事もあります。

まとめ

鰤の照り焼きを美味しく仕上げる鍵は、塩振りと霜降りによる下ごしらえ、そして醤油・みりん・酒・砂糖を2:2:2:1で合わせる黄金比のタレにあります。厚みのある新鮮な切り身を選び、下ごしらえを丁寧に行えば、家庭でも専門店に負けないふっくらとした照り焼きが作れます。ぜひ今日の夕食で試してみてください。きっと家族からの評価が変わるはずです。

-魚・海鮮