マグロの内臓、いわゆる「もつ」は市場関係者の間ではよく知られた裏メニューですが、一般にはあまり流通していないため、食べたことがない方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、マグロの内臓は下処理さえしっかり行えば、牛や豚のもつ料理に負けない濃厚な旨みを楽しめる部位です。この記事では、内臓特有の臭みを取り除く下処理の方法と、実際に市場で教わった煮込み料理の作り方を紹介します。
マグロの内臓が市場で人気の裏メニューである理由
マグロの内臓が裏メニュー扱いされてきた理由は、鮮度落ちの早さと下処理の手間にあります。心臓・胃袋・腸などの内臓は水揚げ後すぐに処理しないと臭みが強く出てしまうため、産地の市場や加工場でその日のうちに食べる、あるいは廃棄されることがほとんどでした。流通に乗せるには急速冷凍などの処理が必要なため、一般家庭までは届きにくかったのです。近年は加工技術が向上し、産直通販で手に入るケースも増えていますが、それでも希少性が高い部位であることに変わりはありません。臭みを取る下処理さえ知っていれば、コリコリとした食感と濃厚な旨みを家庭でも楽しめます。
内臓特有の臭みを取る下処理
内臓を扱う際は、まず流水でぬめりと汚れを丁寧に洗い流すことから始めます。次に塩を揉み込んで5分ほど置き、再度水で洗い流すことで表面のタンパク質由来の臭みを落とします。その後、酒とたっぷりの生姜を加えた湯で下茹でを行い、アクをすくいながら5〜10分ほど茹でます。この下茹での工程を丁寧に行うことが、臭みを残さないための最大のポイントです。下茹でしたものはザルに上げて粗熱を取り、余分な水分を拭き取ってから本調理に移りましょう。

定番の煮込み料理の作り方
下処理を終えたら「もつ煮込み」がおすすめです。鍋にごま油を熱し、生姜とにんにくを炒めて香りを出したら、下処理済みの内臓と大根、こんにゃくを加えて炒め合わせ、味噌・醤油・酒・みりんで作った煮汁を注いで30分ほどコトコト煮込みます。味噌のコクともつの旨みが溶け合い、体の芯から温まる一品に仕上がります。もう一つのおすすめは「もつのねぎ塩炒め」で、下処理した内臓をごま油で炒め、塩・こしょう・ねぎ・レモン汁で味を整えるだけのシンプルな調理法です。お酒のおつまみにもぴったりの一品になります。
ワンポイントアドバイス
内臓を扱う際のワンポイントアドバイスは「下処理を惜しまないこと」に尽きます。他の部位以上に臭みが出やすいため、塩揉み・下茹での工程を省略せず、時間をかけて丁寧に行ってください。また、購入する際は急速冷凍されたものや、鮮度管理がしっかりした専門店・通販から入手することで、下処理の負担も減らすことができます。

内臓食文化との共通点
牛や豚のもつ料理が居酒屋の定番メニューとして親しまれているように、マグロの内臓も水産業界では古くから「もったいない精神」から生まれた食文化の一つです。特に胃袋や心臓は、コリコリとした食感が牛もつに近く、味噌煮にすると違和感なく楽しめます。産地の漁師町では、内臓を新鮮なうちにその場で調理して食べる習慣が今も残っており、観光客向けに提供する食堂も一部に存在します。普段あまり目にすることのない部位だからこそ、機会があればぜひ一度試していただきたい食材です。
購入・保存に関する注意点
内臓は特に鮮度管理が重要な部位のため、購入する際は急速冷凍されたものを選び、解凍後はできるだけ早く調理することを心がけてください。一度解凍したものを再冷凍すると、風味や食感が大きく損なわれてしまうため、使う分だけ小分けにされた商品を選ぶと扱いやすくなります。下処理を済ませたものであれば、当日中に調理して食べきるのが最も美味しく楽しむコツです。
よくある質問
マグロの内臓はどこで手に入りますか?
一般のスーパーにはほとんど並ばず、マグロ加工業者の直販通販や、産地の道の駅・市場などで扱われることが多い希少部位です。
臭みが気になる場合はどうすればいいですか?
塩揉みと下茹でを丁寧に行った上で、味噌煮込みなど香りの強い調理法にすると、臭みが気になりにくくなります。にんにく・生姜をしっかり効かせるのもおすすめです。
子どもや苦手な人でも食べられますか?
下処理をしっかり行えばクセは大きく和らぎますが、独特の食感があるため、まずは少量から試してみることをおすすめします。
内臓料理は他の魚でも同じように作れますか?
基本的な下処理(塩揉み・下茹で)の考え方は他の魚の内臓にも応用できますが、マグロの内臓は比較的大きいため、煮込み時間を長めに取ると柔らかく仕上がります。
まとめ
マグロの内臓、いわゆる「もつ」は市場関係者の間ではよく知られた裏メニューですが、一般にはあまり流通していないため、食べたことがない方も多いのではないでしょうか。今回紹介した下処理のポイントと調理法を押さえておけば、これまで手を出しにくかった部位も、家庭で無理なく美味しく仕上げられるようになります。まずは今回紹介した調理法の中から一つ選んで、次の食卓でぜひ試してみてください。慣れてくれば、自分なりのアレンジにも挑戦しやすくなるはずです。
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