ぶりかまの照り焼きを艶よく仕上げる結論は「霜降りで臭みを抜き、タレは煮詰めてから絡める」ことです。営業時代に水産加工の取引先を回っていた頃、ぶりかまは脂が多いぶん下処理の差が味にはっきり出る部位だとよく聞きました。
2026年9月現在、脂の乗り始めた寒ぶりが出回る時期に向けて、実際に自分で何度も作った経験からコツをお伝えします。
なぜ霜降りとタレの順番が重要なのか
ぶりかまは脂とゼラチン質が豊富な反面、鮮度が落ちると生臭さも出やすい部位です。理由は、脂の酸化と血合いの臭みが同時に進むためで、これを放置すると照り焼きにしても魚臭さが残ってしまいます。
また、タレを煮詰めずに使うと水っぽくなり、身に絡まず流れ落ちてしまうため、照りが出ません。下処理とタレの扱い、両方を丁寧にすることで見た目も味も引き締まります。
ぶりかまの下処理と焼き方の手順
まず塩を振って10分置き、出た水分と一緒にペーパーで臭みを拭き取ります。その後熱湯をまわしかけて霜降りにし、氷水で表面を締めてから再度水気を拭きます。
フライパンかグリルで皮目からしっかり焼き色をつけ、七割ほど火が通った段階で、醤油・みりん・酒・砂糖を2:2:2:1程度で煮詰めたタレを絡めます。タレを入れてから絡めすぎると焦げやすいので、スプーンで身にかけながら仕上げるのがコツです。

照りよく仕上げるコツ
タレは焼く前に別鍋でとろみが出るまで煮詰めておくと、絡めたときに一気に照りが出ます。火加減は中火を基本にし、タレを入れてからは焦げやすいので目を離さないようにしてください。
仕上げに少量の水飴やはちみつを加えると、照りがより強く出て見た目も豪華になります。皮目を下にして盛り付けると、脂の乗った断面が見えて食欲をそそる仕上がりになります。
塩焼き・味噌煮との違いで選ぶ調理法
ぶりかまは照り焼き以外に、塩焼きや味噌煮でもよく食べられる部位です。仕上がりの違いを表にまとめました。
| 調理法 | 味の特徴 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| 照り焼き | 甘辛く濃厚、ご飯が進む | 献立のメイン、お弁当 |
| 塩焼き | 素材の脂を活かしたシンプルな味 | 和定食、あっさり食べたい日 |
| 味噌煮 | コクがあり冷めても美味しい | 作り置き、寒い季節 |
塩焼きでシンプルに楽しみたい方は「鯛かまの塩焼きの作り方」も、下処理の考え方は共通しているので参考になります。
豆知識|ぶりかまの部位としての特徴
ぶりは出世魚として知られていますが、かまの部位はサイズが大きくなるほど脂の乗りも増していきます。特に寒ぶりと呼ばれる冬場のぶりのかまは、脂の甘みが強くなり照り焼きとの相性が抜群です。
骨と身の間にあるゼラチン質は加熱するととろりとした食感になり、これを楽しみにリピートする人も多い部位です。
保存方法とアレンジレシピ
ぶりかまは下処理後にラップで包み、冷蔵で1〜2日、冷凍なら2週間ほどが保存の目安です。タレを絡める前の状態で冷凍しておくと、食べる日に解凍して焼くだけで済むので、忙しい日の献立にも便利です。
照り焼きにしたぶりかまが余ったときは、身をほぐして混ぜご飯にしたり、卵でとじて丼にすると、また違った美味しさを楽しめます。骨の部分は潮汁や粕汁の出汁としても優秀です。作り方は「魚のあら・かまで作る潮汁の作り方」で紹介しています。
ぶりかまを選ぶときのポイント
ぶりかまを選ぶときは、身の厚みがしっかりあり、皮に張りとツヤがあるものを選ぶと失敗が少なくなります。血合いの色が鮮やかな赤色であることも、鮮度を見極める大切なポイントです。
冬場に出回る寒ぶりのかまは特に脂の乗りが良く、照り焼きにすると身がふっくらとジューシーに仕上がります。パック詰めの場合は、ドリップが少なく、パックの底に水分がたまっていないものを選ぶとよいでしょう。
体験談|霜降りを省略して失敗したこと
時間がないときに霜降りの工程を省いて照り焼きを作ったことがあるのですが、焼いている最中から生臭さが立ち、家族にも「今日は魚くさい」と言われてしまいました。
それ以来、忙しい日でも熱湯をまわしかけて氷水で締める工程だけは省略しないようにしています。かかる時間は3分程度なので、仕上がりの差を考えると欠かせない一手間だと実感しています。
他の魚のかまで試したい方は「さばかまの塩焼き・味噌煮の作り方」や「鮭かまの塩焼き・ホイル焼きの作り方」も下処理の考え方が共通しているのであわせてご覧ください。
合わせる献立のアイデア
ぶりかまの照り焼きは味がしっかりしているため、副菜はさっぱりとした酢の物やおひたしと組み合わせるとバランスの良い献立になります。大根おろしを添えると、脂の旨みを受け止めつつ後味さっぱりと食べられます。
汁物は具だくさんの味噌汁や、あっさりとしたお吸い物がよく合います。ご飯だけでなく、照り焼きのタレを絡めた身をほぐしておにぎりの具にするのもおすすめです。お弁当のおかずとしても冷めても美味しく食べられるので、作り置きしておくと重宝します。
よくある質問
Q. タレが焦げてしまう時の対処法は。
A. 火加減を弱めにし、タレを入れてからは頻繁にフライパンを揺すって焦げ付きを防いでください。
Q. グリルとフライパン、どちらが向いていますか。
A. 下焼きはグリルで香ばしく、タレ絡めはフライパンで行うと失敗が少なくなります。
Q. 骨が大きいのですが食べやすくするコツはありますか。
A. 焼く前に骨に沿って浅く切り込みを入れておくと、食べるときに身がほぐしやすくなります。
Q. タレの甘さを調整したい場合はどうすればよいですか。
A. 砂糖の量を減らして酒とみりんの比率を上げると、甘さ控えめで大人向けの味わいになります。
Q. 冷凍のぶりかまを使う場合の注意点はありますか。
A. しっかり解凍してから水気を拭き取り、通常より少し長めに霜降りをすると臭みをより抑えられます。
まとめ
ぶりかまの照り焼きは、霜降りで臭みを抜くことと、タレを煮詰めてから絡めることの二点を守れば失敗しにくい料理です。脂の乗った寒ぶりの時期は特におすすめなので、ぜひ試してみてください。
私自身、脂の乗りが良い時期にまとめて仕込んでおくと、忙しい日の献立の助けになると実感しています。
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